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2022

【選手ブログリレー】No.10 けいた「忘れられない試合」


選手ブログリレーも2周目になりました。

個性溢れる選手たちのことをもっと知って頂き、より多くの人に愛されるチームになれたらと思っております。


今回からは、PHOENIXファミリーのアンケートで寄せられたお題に沿って話ができたらと思います。

私が選んだお題は、「自己肯定感がついた話」「小・中・高での思い出エピソード(どの年代でも可)」です。


今回は特に、私のサッカー人生において、今でも忘れられない試合について話そうかなと思います。

その試合は2007年10月、当時高校1年生だった私が初めて臨んだ、

高校サッカー選手権大会長崎予選 準々決勝「長崎南山vs国見高校」の一戦です。


当時、国見高校は言わずと知れた名門中の名門で、故小嶺忠敏総監督が見守る中、

山村和也選手(現:川崎フロンターレ)を始めとしたU-18日本代表4人を擁する最強のチームでした。

国見高校はこの年まで21年連続で長崎県大会覇者として君臨。

加えて選手権本番の1週間前に、長崎南山の1軍が国見の4軍と練習試合をし、大敗を喫するという最悪の事態。

どう考えても勝ち目のない状況だったと記憶しています。


しかし、実は長崎南山が!

この試合、劇的な勝利を収めるんです!

試合終了の笛と共に、

あたかも選手権で優勝したかのような歓喜と地鳴りするほどの雄叫びを、今でも鮮明に思い出します。


果たして長崎南山はどのようにして勝利したのでしょうか?

この試合の勝因は、「メンタルトレーニング」にあったと断言します。


長崎南山は、長崎県サッカー協会の強化指定高校に選ばれていたこともあり、

様々な面で恵まれた環境だったと思います。

サッカー部専用グラウンドや、新設されたばかりのトレーニングジム、専属栄養士やフィジカルトレーナー、定期的に体をケアしてくださる理学療法士など、強くなるための土台が整えられていました。

それでも、国見高校という壁は非常に高く、勝った試しがない相手でした。


そんな中、夏の高校総体が終わり、冬の選手権に向けて新しく動き始めた段階で、

この年だけ(私の記憶の中では)採用されたのが「メンタルトレーニング」でした。


具体的にどんな事をしていたかというと、主に4つで

・リラクゼーション:癒やし系の静かな音楽を流し、心を落ち着かせる

・アファーメーション:自分や仲間に対して、常に肯定的な言葉がけをし、ポジティブな雰囲気を作る

・サイキングアップ:練習や試合前に、気分がアゲアゲになる曲を流し、モチベーションを上げる

・呼吸法:自分の呼吸に心を集中し、常にゾーンに入れるようにする→鬼滅で言う全集中

などを毎日行っていました。(これらをすることにより、自己肯定感が爆上がりしました。)


初めの頃は、サッカーのプレーにどこまで良い影響をもたらすのか、正直、半信半疑なところがありました。

実際、思春期真っ盛りの高校生たちが真面目に取り組むはずもなく、

100人ほどいたサッカー部員のほとんどがふざけながらやっていたように感じます。

それでも、トップチームの3年生、特に冬の選手権まで残っていた先輩たちだけは

本当に真面目に取り組んでいたので、私もその姿を見習って真剣に取り組んでいました。


その効果が見え始めるまでには、あまり時間がかかりませんでした。

直後の熊本遠征において、大津高校や秀岳館高校などの強豪チームとの練習試合の際、

チームが負けている状況の中でも、チーム全体がお互いのプレーを鼓舞し、

笑いながらプレーするようになったのです。

1年生ながら試合に出させてもらっていた私は、強豪チーム相手に歯が立たない場面が多く、

顔も体も強張っている時間が多々ありましたが、その都度、3年生の先輩たちが、

「コミ(私)、笑え!」と言ってくれたのを今でも思い出します。

この時を境に、サッカーというスポーツにおいて、メンタルが本当に重要だということを実感し、

一層メンタルトレーニングに熱心に取り組むようになりました。


決戦の1週間前、国見高校の4軍と練習試合をするようになりました。

決して油断していたわけではなかったですが、味方との連携がうまく行かず、

失点を重ねてしまい、結果0−4で大敗を喫しました。


しかし、チームの雰囲気は相変わらず上々で、

「俺らの相手は今日の相手じゃない。来週が本番。俺らならできる。絶対に勝てる」と話していました。

今考えると、この状況でこんな考えに至るなんて、尋常じゃないメンタルだなと思います笑


そして、いよいよ決戦の日を迎えました。

両サッカー部員が、応援席で熱い応援合戦を繰り広げる中、強敵国見高校との試合が始まりました。

序盤、先制点を奪ったのは、なんと我らが長崎南山でした。

その後、すぐさま国見高校の猛攻を喰らい、1−1の同点に。

その後両者一歩も譲らず、延長線にもつれ込む。

延長線になれば、無尽蔵のスタミナを持つ国見高校が有利。

魔の延長線をなんとかくぐり抜け、PK戦にまでもつれ込みました。


PK戦までの時間、選手たちの体は満身創痍の状態。私も両足が痙りかけていました。

体のケアをしてもらいながら、PKを蹴る順番を発表する監督の声に耳を傾けました。

監督「1番○○、2番〇〇・・・4番小道・・・」


心の中で私は、「俺!!!!????」とつぶやきました笑

「3年生にとっては高校生活最後の試合になるかもしれない重要なこの場面で、1年生の自分が3年生を差し置いてPKを蹴る!!!???」

正直、緊張と不安で頭が真っ白になりました。

「ここで失敗したらどうしよう」と

何度も嫌な妄想を重ねてしまい、不安げな顔を隠すことすらできませんでした。


するとその時、

PKを蹴らない3年生の先輩が私にこうつぶやきました、


「コミ、外していいぞ!」


この言葉は、私が抱えているプレッシャーや重荷をすべて分かってくれて、高校3年間の思いもすべて、後輩に託してくれる先輩の「懐の大きさ」を表していました。

私はこの先輩の言葉に心を打たれ、言葉に出来ないくらいの自信と勇気をもらいました。


そして気がついたら私の頭の中でこうつぶやいていました。


「俺はできる。必ず決める。」


どこからともなくみなぎってくる自信。

まるで超サイヤ人にでもなったかのような気分。

メンタルが最強になった瞬間でした。


いざ、PK戦の幕開け。

先攻国見の1人目は、山村選手。きっちりとゴールの隅に決めた。

そして、迎えた2人目。国見の選手が蹴ったボールはクロスバーに弾かれ、長崎南山がリード。


3人目は両者共にきっちり決め、

順序はいよいよ4人目。自分の番。

国見のGKは188cmの大型選手。

しかし、メンタル最強になっていた私には、GKすら目に入りませんでした。


「俺はできる。必ず決める。」


審判の笛の合図が鳴り響く。

張り詰める空気とおぞましいほどの静寂。


「俺はできる。必ず決める。」


そして、一歩踏み出した。

気がついたら、、、


私が蹴ったボールは、ゴールネットを揺らしていました。

雄叫びとともに、今までやったことないくらい激しいガッツポーズ。

視線の先には、応援に来ていた両親と、PK直前に僕に声をかけてくれた先輩の姿がありました。


そして、5人目。

先攻国見の選手が難なく決め、長崎南山が決めれば勝利という場面。

会場のすべての人が固唾を呑んで見守っていました。


先輩が放ったシュートはキーパーの逆をつき、ゴール中央に吸い込まれた。

その瞬間、会場の地面が揺れた。本当に揺れました!


これ以上ないほど歓喜。

あたかも全国優勝でもしたかのように喜び狂った。


私にとって、一生忘れることができない試合となりました。


長崎南山はその後、準決勝で島原商業に惜敗し、

夢の全国大会への切符を手にすることはできませんでしたが、

国見高校に勝利したことと、勝利に至る過程の一部始終を実際に体験できたことは、

私の人生においてかけがえのない財産になりました。


以上、私にとっての「忘れられない試合」でした。


考え・心・精神がどれほど重要なのか。

本当に考えさせられる体験でした。

メンタルトレーニングを通して得た自己肯定感。今も継続して持ち続けています。

仕事も、サッカーも、プレイベートも、大変充実した日々を送ることができています。


2022シーズンは特に、

「平和サッカーで心を豊かに」というチームのビジョンを実現していきたいと思っています。

私もあの先輩のように、チームメイトの不安や恐れを打ち砕く太陽のような存在になりたいです。


平和サッカーを通して、1人でも多くの人に感動と一歩踏み出す力を与える選手になっていきます。

これからも応援よろしくお願いいたします!


次回は、今シーズンから副キャプテンを務める、落合武選手にバトンを渡したいと思います。



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